たかはしクリニック

双極性障害の躁とうつ症状を理解する

お問い合わせはこちら ご予約はこちら

双極性障害(1):躁とうつ

双極性障害の躁とうつ症状を理解する

2025/10/01

双極性障害は、精神科の分野で重要な疾患の一つであり、躁状態とうつ状態という二つの異なる気分の波が交互に現れる特徴があります。波が生じるきっかけは強い悲しみを感じる出来事・多忙・季節の変わり目などですが特にないこともあります。躁状態では、過剰な自信や多動、睡眠の減少などが見られ、一方でうつ状態では、意欲の低下や抑うつ気分、集中力の欠如などが顕著となります。これらの症状は患者の日常生活や社会的な活動に大きな影響を及ぼし、適切な理解と治療が求められます。本ブログでは、双極性障害の躁とうつの具体的な症状やその特徴について、精神科の専門的な見地から詳しく解説し、病気と向き合うための基本知識を提供します。患いやすい疾患であるため、正しい情報を知ることが回復への第一歩となります。

目次

    双極性障害とは何か?躁病相

    躁状態では気分が異常に高揚し、エネルギーが増加する一方で、衝動的な行動や思考の加速が特徴で異常な多幸感、過剰な自信、睡眠欲求の減少、衝動的な行動や多弁が認められます。ある患者の実体験では、突然のエネルギー増大により、夜も眠らず不可能と思える複数のプロジェクトに手をつける一方で、その後のうつ病相で仕事が回らず周囲との摩擦が生じることがありました。睡眠時間の激減や話の早口、次々とアイデアが湧き出る状態が続き、多弁に関しては重症例では30秒と話を止めることができません。また突然日本中を歩き回って移動できるほどのエネルギーを持っています。爽快感・多幸感・万能感が主の患者さんもいれば易怒性・攻撃性を前景に現す躁状態もあります。躁状態うつ状態ともに重症度はさまざまでいつもより多少気分がよく活力がある程度の軽躁状態が続く方もいれば日常生活すら普通に送れず入院加療が必須となる重症の躁状態の方もおられます。 従来前者はⅠ型躁うつ病、後者はⅡ型躁うつ病と言われていました。

    うつ病相の深刻さ:意欲低下と抑うつ気分が日常を蝕む

    双極性障害のうつ病相は、単なる気分の落ち込み以上の深刻な症状を伴います。主な特徴として、意欲の著しい低下が挙げられ、これにより日常の活動や仕事、家事に取り組む力が大幅に失われます。また、持続的な抑うつ気分が慢性的に続き、希望を感じられず孤立感が増すことも多いです。集中力の欠如も顕著であり、記憶力の低下や決断力の減退に繋がり、日常生活での困難が増大します。一見うつ病の症状と違いが無いように見えますし、双極性障害をうつ病相で発症する方も多いので当初はうつ病と診断されることも少なくありません。一つ必ずではないですが躁鬱のうつ病相に特徴的な症状が過眠と過食です。またうつ病相はうつ病と比較して長く遷延することが多いのも特徴です。躁病相の後にはエネルギーを消耗してきって多くはうつ病相に至ります。

    双極性障害を疑う兆候

    双極性障害のリスクファクターとして以下が挙げられます。

    1.思春期などの若年発症

    2.女性

    3.産後うつの既往

    4.抗うつ薬での躁転の既往(躁うつと診断します)

    治療法と回復のプロセス

    双極性障害の治療の目標は一言で言うと波を起きない凪の状態を維持することです。薬物療法は必須ですし「少し調子がいいなと感じる時は7、8割程度の活動に抑えてうつ病相を予防する」などの心理教育も重要です。

    薬物療法に関しては次回詳しく説明します。

    また、社会的な環境を整え、患者がストレスを軽減できるよう配慮することも重要です。こうした支援体制が整うことで、患者の生活の安定と社会復帰が促進され、双極性障害と向き合う力を高めることが可能になります。

     

    正しい知識が回復への第一歩に!双極性障害とともに歩む未来

    双極性障害は、躁状態とうつ状態が交互に現れる特徴的な精神疾患です。躁状態では、過剰な自信や多動、睡眠の減少が典型的な症状として挙げられます。患者は普段以上に活動的になり、判断力が鈍ることもあります。一方、うつ状態では意欲の低下、抑うつ気分、集中力の欠如が顕著になり、日常生活への影響が大きくなります。これらの症状は単独で存在するのではなく、周期的に入れ替わりながら現れ、患者の社会的機能を大きく低下させることがあります。双極性障害への理解を深めることは、適切な治療やサポートにつながり、患者がより良い生活を送るための重要な一歩となります。精神科の専門的見地から、正しい知識を持ち、症状に対応することが、回復の道筋を築くカギです。

    ----------------------------------------------------------------------
    たかはしクリニック
    住所 : 大阪府大阪市生野区巽南5丁目7−26 2F
    電話番号 : 06-6794-0333


    大阪での不調をケアする精神科・心療内科

    休職を考える方を大阪にある当院で支援

    ----------------------------------------------------------------------

    当店でご利用いただける電子決済のご案内

    下記よりお選びいただけます。